
ブログ2026.04.08
やちむんの里を訪ねて — 登り窯の煙が描く風景
沖縄の言葉で「焼き物」を意味するやちむん。読谷村の「やちむんの里」には、70以上の工房が集まり、素朴で力強い焼き物づくりが今も続いています。
朝6時。里の奥にある登り窯に火が入れられます。松の薪を投げ入れ、24時間以上かけて1200度まで温度を上げていく。若い職人が火の番をしながら、ベテランの陶工は釉薬を調合する朝の時間を過ごします。
「やちむんは土との対話」と語るのは、40年のキャリアを持つ陶工の金城さん。赤土と白土を混ぜ合わせ、手に感覚を馴染ませてから轆轤を回し始めます。機械的な正確さではなく、指先から生まれる微妙な揺らぎこそが、やちむんの魅力なのだと教えてくれました。
登り窯から取り出された器には、炎と灰が生み出す唯一無二の景色が広がります。同じ模様は二つとない。読谷村には、花織・やちむん・琉球ガラスと、素材や技法の異なる工芸が共存しています。TidaGenGenは読谷山花織を現代のアクセサリーへと仕立てていますが、ご近所の窯元を訪ねるたびに「手仕事は一つひとつが違う」という原点を確かめさせてもらっています。
里を後にする頃、夕暮れの空に登り窯の煙がゆっくりと溶けていきました。変わらない風景が、明日もまた続いていきます。


